2016年2月23日火曜日

「糖質制限は危ない」は本当か?!

糖質制限は危ないのか

結論から書きましょう。糖質制限は危ないです。

ただこれは、「包丁は危ないです」「真水を飲み過ぎると中毒になります」という文章と同じであまり意味はなく、もっと重要なのはどういった場合にどういう危険性があるのかという点です。このレベルの総論に価値はありません。

上の文章の意図をより正確に表現すると以下となります。

糖質制限は、定量化されていない状態でやみくもに糖質の摂取を減らす形で継続して行った場合、健康を損なうリスクがある。

糖質制限のリスク

事の発端は糖質制限ブームの先駆けとなった本である「おやじダイエット部の奇跡」著者の桐山秀樹の急逝でした。61歳という若い年齢での死。死因こそ心不全・急性心筋梗塞であるものの、間接的に糖質制限による急激な体重の減少が影響しているのではないかという意見を至るところで目にするようになり、そのリスクをきちんと理解したいといういう思いに駆られました。

糖質制限について否定的なタイトルの本で少し違うアングルから論じているものを3冊ほど選び、下記まとめました。参考資料として記事の下に貼付けます。

総論として、糖質制限は「糖質を定量化して」「弱点を補いながら」「正しい目的(過剰な痩身ではなく健康体になるための減量)」の為の手段としては一定の効果がある。しかし、近年その手軽さと即効性にばかり目が向かいリスクを認識せずに過剰なやり方で取り組む人が増えており、そこに対して警鐘を鳴らしたかった、という善意と情熱を読み取りました。

おそらく現在懸念されている糖質制限による健康リスクと原因はだいたい以下です。

1. 頭痛・末梢神経障害:過剰な糖質制限による微量栄養素不足


白米、麺類などの糖質はいわゆる精製された「砂糖」と同等に扱われる事が多いのですが(例:白米お茶碗一杯で角砂糖10個分! など)、これらは全くの別物です。精製された砂糖が99.2%糖質なのに対して例えば玄米は糖質(59.8%)+水分(35.6%)+微量の栄養素(4.6%)と数%の栄養素を含んでおり、実はその栄養素というのが体にとっては非常に重要です。

具体的には葉酸、ビタミンB1、ビタミンC、カルシウム、鉄分などであり、スタンフォード大学カードナー博士の2007年の研究によるとアトキンスダイエットと通常のカロリー制限を比較した場合、これらの栄養素の摂取量が1/3〜1/2の被験者の中で標準に足りておらず、概ね数十%の各栄養素の不足が認められたとのことです。

これらの栄養素は言うまでもなく体を機能させる腕で重要な役割を果たしており、例えばビタミンB1が不足すると脚気になるリスクが高まり、ビタミン類全般の不足は末梢神経障害を招くリスクを高めます。

2. うつ病:炭水化物不足によるセロトニン生産の減退

うつ病はセロトニンやノルアドレナリン等の脳内神経伝達物質の不足が引き金になると言われていますが、セロトニンの主な原料の一つに必須アミノ酸のトリプトファンがあります。このトリプトファンは魚や肉等の動物性タンパク質から分解されるため、一般的に高タンパク質に傾きがちな糖質制限はむしろ追い風になりそうなのですが実はそこに見落とされがちな視点がありました。

トリプトファンはビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムなどの微量栄養とともに合成されるのですが、この合成を促進しているのが炭水化物なのです。なので、原料ばかりが増えても成果物であるセロトニンの合成が十分に行われない事態が起きて、それがうつ病への引き金となる可能性があります。

3. 死亡率の上昇:過度な糖質制限による低血糖

血糖値は低ければ低いほどよいかというと、そうではないという話です。

そもそも糖質制限自体のルーツの一つが糖尿病患者の治療だったこともあり、厳格な血糖値管理(HbA1c値6.0%以下)が理想とされてきましたが、2001年のアメリカ国立衛生研究所の大規模研究および世界中で行われたその追試により「血糖値の管理はほどほどがよい(HbA1c値7.5%程度)」と証明されました。

この極度の低血糖になる程度の糖質制限を2年以上の長期に渡り実行している人は少ないとは思いますが、血液から完全に糖が消えることは良い事ではないという証左です。

4. 消化器官の不調:炭水化物に含まれる食物繊維不足

食べたものは消化器官から吸収されますが、腸内環境を整える際に大きな役割を担っているのが食物繊維です。食物繊維が持つ機能は主に7つあり、排便力増加・腸内環境改善作用・過食抑制効果・血糖値上昇抑制効果・胆汁酸吸着能・老廃物吸着効果・免疫活性か作用です。

糖質制限をするさい、炭水化物=糖質+食物繊維、であるため結果として食物繊維の摂取量が必要量を大幅に下回るケースが多く、その事が上記の7機能の不全を招き問題を起こすことがあります。

5. 抗酸化・免疫力の低下:高糖質な根菜を避ける事によるファイトケミカルの不足

糖質制限を始めた人は色々な食べ物から高糖質のものをあぶり出し目の敵にするのですが、そういった矛先が向かう一つに「根菜」があります。人参、タマネギなどもその一つ。しかし実はこれらの根菜には肉を中心とした高タンパク質な食事からは得られない貴重な栄養素があります。それがファイトケミカルです。

みなさんが良くご存知であろうβカロチンやリコピン、少しマイナーなところだとイソシオシアネートやスルフォラファンなどと言ったファイトケミカルには発癌抑制が認められており、アメリカ国立がん研究所発行のデザイナーズ・プログラムに記載されています。

極端に根菜を避けてしまうとこれらの物質を適度に体内に取り込む事ができなくなり、体内に酸化物質が溜まり、免疫力の低下を招く可能性があります。

6. 心臓病リスクの上昇:糖質制限による間接的な赤肉・加工肉の過剰摂取

糖質制限=大好きなお肉食べ放題!…となる方も多いと思うのですが、実はお肉にも気をつけるべきポイントがありますよという話です。

2011年*/2013年**の研究で赤肉に含まれるカルチニンが腸内細菌によりトリメチルアミンとなり、さらに肝臓でトリメチルアミン-N-オキシドとなり、最終的に動脈硬化等の心血管疾患に繋がるという論文が発表されました。

また、ベーコン等の加工肉には化学調味料・飽和脂肪酸などが多く含まれておりこれらがコレステロール値を上昇させる働きをします。

具体的な数値としては、赤肉であれは160g/日摂取するグループは10-19.9g/日摂取するグループに対して死亡率が14%程高く、加工肉であれば160g/日摂取するグループは10-19.9g/日摂取するグループは60%程死亡率が高かったとあります。特に加工肉に関するリスクが取り上げられており、50g/日摂取量が増える五都に18%死亡率が増加し、20g/日減らすごとに3.5%軽減されることが示されています。

加工肉に関しては「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」においても危険性が指摘されており、また著書の中では穀物でなくグラスフェッドの肉を推奨しています。

まとめ
  1. 糖質制限反対派が懸念しているのは「自己流」で「定量化されいない」糖質制限により特定の食物(肉等)の過剰摂取と必須栄養素(ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、食物繊維)の不足に起因する健康上の問題
  2. 糖質制限食において嫌厭されがちな複合糖質(穀物)である白米、麺類などに含まれる微量栄養素は体を正しく機能させる上で大切である
  3. 同様に高糖質が故避けられがちな根菜も抗酸化・免疫強化・がん抑制などの機能を持つファイトケミカルの摂取の為に摂るべき
  4. 食物繊維は腸内環境を整え内側から健康を増進する上で必須
  5. 糖質そのものもセロトニンの生産を促進する機能を持つため完全に断つべきではない
  6. 糖質制限と対になることの多い高タンパク食に関しても、特に加工肉に関してはその食品の持つリスクを理解した上で過剰摂取は避けるべきである
  7. 「短期(ここでは半年〜1年以内)」における体重の減少効果に関しては低脂肪ダイエットやカロリー制限と比較しても一番効果があることを証明する事例は多い
  8. 糖質制限反対派が基準として参照としているのは日本糖尿病学会が推奨している「130g以上の糖質+20gの食物繊維」もしくは「全摂取カロリーの50%を炭水化物から摂る」というもの。日本人の糖質摂取量が260g/日であるので、彼らの参照点を基準にしたとしても差分130g=520kcal=約70g/日(2kg/月)程度の減量は可能
といった所でしょうか。

下記、参考文献です。


今回3冊読んで非常に興味深かったのは、腸内細菌・抗酸化物質・糖質の果たす役割などという観点から「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」と重なる論点が幾つもあった事でした。物事は全て白黒では決着が着かず、ことこの分野に関してはここ数年で非常に多くの新しい研究結果が出ているためぱっと見混迷を極めています。

その中でも一見対立する主張の共通項や主張の根拠の検証等を通じてできるだけ有益な情報を集め続け「楽に」「楽しく」「健康的に」標準体重までの減量を行いたいと思います。

完全無欠コーヒーで食べながら痩せる

*Z. Wang et al. (2011). “Gut flora metabolism of phosphatidylcholine promotes cardiovascular disease”. Nature 472: 57–63.
**R.A. Koeth et al. (2013) “Intestinal microbiota metabolism of L-carnitine, a nutrient in red meat, promotes atherosclerosis”]. Nature Medicine 19: 576–585.

2016年2月13日土曜日

ダイエットの迷信「痩せたいなら有酸素運動」は本当か?!

目的と手段、効率という観点から有酸素運動を考える

最初に言っておきますが、皆さんが経験的に感じている通り適度は有酸素運動は脳を活性化し、インシュリンの感受性を上げ、ストレスを軽減し、心疾患のリスクを低下させる効果がある非常に有益な活動です。

ここで問いたいのは「減量」という観点から見たときに最も効率的・効果的な手段と言えるのかという点です。

私が減量について勉強する前に持っていた知識は「カロリー制限をして運動すれば痩せる」というものでした。確かにその2つを愚直に実行することにより10kg減量という成果は得たものの、その道のりは辛く険しいものでした。

朝から深夜まで働いた後で、飲みに行きたい気持ちを我慢して帰宅。時計は23時を回っている。やり残しの仕事が頭の中をぐるぐる回る中自分の出っ張ったお腹に目をやり、重い手足を引き摺ってランニングウェアに着替えて夜の街を30分ほど走り、シャワーを浴びる。1時間はかかります。

それによって消費されるカロリーは(60kgの男性で時速8kmのペースで30分走ったとする)約240kcal。全てのエネルギーが皮下脂肪や内蔵脂肪から賄われるわけではなく、多くとも50%、つまり120kcal分の体脂肪が燃える訳ですが、重さにすると13g。

仕事で疲れた体にむち打って1時間をランニングに使ったとしても、燃える脂肪は13gしかありません。毎日続けたとして一月で390g(糖質制限+完全無欠コーヒーでは運動ほぼなしで2kg/2週間減量しました)。

忙しい社会人が月に30時間費やして得られる結果としてはあまりにお粗末です。

加えて、体はどんどん「効率的な」動きを学習します。つまり、少ないエネルギーでより長く走れるように耐性が着くため「脂肪燃焼効率は下がり続ける」ので、最初と同じ量の脂肪を燃やそうとすると運動強度か時間を伸ばし続ける必要があるわけです。

「30分の軽いランで痩せようなんて虫が良過ぎる!毎日1時間は走れ!」なんてコメントも来そうですが、過剰な運動によるコレチゾール値の上昇によるリスクも考えるべきでしょう。

結果を急ぐあまり強度の強い運動を長時間する、という方向性に向かうと、このホルモンの働きにより血糖値の上昇、免疫力が下がり、筋力が落ち、テストステロンの分泌が抑制されます。加えて、故障のリスクや「運動したんだから」という言い訳を自分に与えてしまい結局燃やした以上の脂肪を食事から蓄える人もいるでしょう。

このように、過剰な有酸素運動には負の側面もあります。

限られた資源「時間」と「精神エネルギー」

あらゆるダイエットサイト・多くのダイエット本に欠けている視点は、我々は既にかなりストレス過多の環境におり、「時間」と「精神エネルギー」を効率的に使う必要があるという点です。

僕の問いは、仕事をやっつけながら食事制限でストレスを溜めた上で、更に月数十時間を使って有酸素をすることが果たして持続可能性があり、人生を豊かにする減量方法ですか、という事です。

基本指針として、生活の工数を「増やす=可処分時間を使用する」、精神的な葛藤が生まれる(この場合は「今日は仕事がハードだったから夜走るのはやめて明日の朝走ろうか…」「今日はいつもより長めに走ったんだからご飯を多めに食べてもいいはず…」という悪魔の囁きとの闘いや、「これだけ頑張っても成果が全然出ない(効率の悪いやり方をしているので当然)」という焦りを抑えて粛々と計画を実行する精神力の摩耗)方法はフルタイムの仕事をハードにやっている社会人には適していません。

なので時間・労力に対してリターンが圧倒的に少ない有酸素運動は減量には向きません。

まとめ

  • 運動自体は体と脳に非常に有益な行為だが
  • 有酸素運動は社会人の減量という観点から見ると、非常に非効率
  • 60kgの男性が時速8kmの運動を30分しても燃える体脂肪は13g
  • 準備に使う時間、運動後のシャワーなどを合わせて考えると月に30時間費やしても燃える減量効果は最大390g
  • 脂肪燃焼効率は運動を続けるほど体の学習によって下がる
  • 過剰な有酸素はコレチゾール値の上昇をもたらし、体と脳に害となる可能性がある
  • 忙しい社会人は「時間」と「精神エネルギー」をいかに使わずにすむかという視点から減量手段を選ぶべき
そこで私が行き着いたのが「糖質制限完全無欠コーヒー」というアプローチでした。

2016年2月11日木曜日

ダイエットの迷信「カロリー制限で痩せる」は本当か?!

カロリーは何を説明しているのか

そもそもカロリーとは何でしょうか。
wikipediaによると定義は以下です。
1グラムの水の温度を標準大気圧下で1℃あげるのに必要な熱量
食べ物という文脈で考えると、脳や体を動かしたりすることに必要なエネルギーの量を数値化したものと捉えられますね。

三大栄養素とされる炭水化物(糖質+食物繊維:このうち食物繊維はほぼ0kcalなので無視)、タンパク質、脂肪が1g当たりに持つとされるエネルギー量が決まっていて、カロリー制限によるダイエットはそれらの合計値が体が毎日の消費カロリーを下回ると痩せる、という理論な訳ですね。

一見すると正しそうに見えるこの理屈なんですが、なにか違和感を感じますね。

そう、糖質、タンパク質、脂質は性質が異なる筈なのに無理矢理一つの枠に入れているからですね。例えば鉄、プラスチック、土、みたいな性質の違うモノを纏めて1kgです!と言われても内訳の方が重要ですし、資産1億円だとしても現金なのか、株なのか、不動産なのか、によって流動性も利息も全く違う訳です。ちなみに3つの役割はざっくり以下です。

  1. 炭水化物(糖質):脳と体のエネルギー源
  2. タンパク質:筋肉、骨の材料
  3. 脂質:エネルギー源、脳・血管・身体組織の強化・保護

つまり重要なのは三大栄養素の内訳であり、トータルの出納がマイナスだから痩せるかというとそこはイコールではありません。

カロリーはつまるところ、三大栄養素トータルで見た際のエネルギー量こそ説明しているものの、減量という観点からみると何も説明していないに等しい訳です。

次の質問は「カロリーがダメなら何を指標として食事を組み立てればいいのか」になると思いますが、その質問に答える為には体の代謝システムについて簡単に理解しておく必要があります。

かったるいから実践的な方法を知りたい方はこちらへ。

体はどうやってエネルギーを作っているのか

体の代謝システム(栄養からエネルギーを取り出す方法)には3種類あります。
  1. 糖質代謝
  2. 糖新生
  3. ケトン体代謝
「糖質代謝」

みなさんも良く「朝ご飯に主食(白飯やパン)をしっかり食べないと脳がきちんと働きませんよ」と言われた記憶があるお思います。これは糖質代謝を指しています。この代謝方法では食事から摂った糖質を元に肝臓と骨格筋で合成されたグルコースを使います。

多くの栄養学の本ではあたかも「脳の唯一のエネルギー源」である書かれ方をしていますがそれは事実はなく、糖が補っている脳の活動エネルギーはおおよそ25%*。そして、赤血球を除く全ての臓器は糖ではなく「ケトン体」によって活動する事が出来ます。

減量において重要なのは、糖質代謝は太り易い=糖を脂肪として蓄え易い、という点。そしてこの糖質代謝がなくても脳も他の臓器もきちんと働くシステムを体が持っている点です。

糖質を成人平均の260g/日程度(毎食ご飯どんぶり一杯程度+主菜から100g)摂っている場合、このシステムがエネルギーの大部分をまかなっていることになります。

「糖新生」

糖新生は筋肉を分解してエネルギー源として使います。

糖が不足しており、ケトン体代謝に移行するまでの段階でこの代謝方法から得るエネルギーの割合が大きくなると、筋肉が減って基礎代謝が減少し、痩せにくく太り易い体質になります。減量においては素早く効果的にケトン体代謝に移れるかが重要になります。

「ケトン体代謝」

実は体に蓄積されている脂肪をエネルギー減とする=体脂肪を燃やす、代謝は3つめの「ケトン体代謝」のみです。

楽に痩せる為にはこの代謝システムをメインに入れる必要があり、摂取する3大栄養素の量はその目的の為に決められる必要があります。

「何を」「どれくらい」摂れば体脂肪で体と脳が動くのか

上記から注目すべきは「カロリー」ではなく「糖質」であること。
そして通常の代謝システムから「ケトン体代謝」のスイッチを入れる必要があること。
が理解頂けたかと思います。

では具体的に何をどれくらい摂るべきなのかという話です。

結論から書くと「糖質」を「1日当たり50g〜130g」が減量における目標値です

下限値50gの根拠はケトン体を大量に生成するための食事スタイルであるケトン食が定める1日の糖質摂取量の上限値です。この値を切れば確実にケトン体代謝システムのスイッチが入ることが証明されています。**山田悟著/糖質制限の真実 p122より

上限値130gはエネルギー源として糖を好む脳と、ケトン体をエネルギーとして使えない赤血球が求める量の合計とされています。**山田悟著/糖質制限の真実 p122より

まとめ
  • 減量においてカロリー計算は無意味。糖質摂取量が重要
  • 体脂肪を燃やすには「ケトン体代謝」のスイッチを入れる必要がある
  • スイッチを入れるには糖質を50g〜130g/日にするのが理想
下記、参考文献です。



次回は「痩せる為には有酸素運動が必要」という迷信についてです。

実際にカロリーを記録して検証してみた記事はこちら。
完全無欠コーヒーで食べながら痩せる

*ストライヤー生化学 第七版 参照

2016年2月10日水曜日

ストレス0の減量方法「完全無欠コーヒー+糖質制限」 に出会うまで 3/3

学生時代から20kg太り、食事制限と有酸素で10kg落とし、そこからリバウンドでまた10kg太ったのが前々回、そこから精神的な苦痛なく痩せる方法を模索して「糖質制限」に出会ったのが前回

4ヶ月で5kg落としたところまでは良かったのですが、なまじ結果が出てしまったために中途半端な糖質減(自分では制限しているつもりが実際はきちんとコントロールできていない)になってしまっており、白飯・麺・パン類への渇望がなくならず、2-3kgの触れ幅で体重が増減していました。

その頃は知識としても糖質の役割や完全に絶ったときのデメリット、脂質の役割など十分に深いとは言えず、世の中に蔓延する反糖質制限の声にも影響されて糖質を摂っていたため、依存体質から抜け切れていませんでした。

ここが昨年の9月ごろですが、ここからアプローチとして1つレベルが上がったのが、「あすけん」というアプリと測り(家と会社に1ずつ)による糖質の定量化と、「完全無欠コーヒー」による糖質依存からの脱却でした。


摂取栄養素の定量化による厳格な糖質量の管理は、「おやじダイエット部の奇跡」を読んだときから理解していたものの(一日当りの糖質摂取量が指示されているため)、食べたものの重さを量ってネットで調べて記録することに疲れていました。

そこで計測で楽できないかネットをさまよっていたときに見つけたのがこのアプリ。食べたものと分量(g単位が理想だが○人前、という入力も可能)を選んで入力するだけで主要栄養素の摂取量を自動計算してくれるという優れもの。

このアプリとの出会いで糖質摂取量のコントロールがかなり楽になりました。

ちなみに採点されますが、無視でokです。理由は次回以降追って説明します。


そもそも糖質依存体質という自覚がなかったのですが、これを始めてから気付いたのは朝の白飯・パンによって昼以降の糖への渇望が生まれていたということです。昨年の10月中ごろから今まで欠かすことなく朝食はこのコーヒー一杯のみにしていますが、下記の効果があります。
  1. たっぷりの良質の脂肪(グラスフェッドバター)で空腹感の抑制
  2. MCTオイルによるケトーシス
  3. カフェインによる脳の覚醒
  4. 上記3つの効果に夜前日の晩からのケトーシスの継続(プチ断食による脂肪燃焼)
  5. 完全無欠コーヒー自体が低糖質なため、実質一食分の糖質無摂取
そもそも糖質制限ではカロリー計算なしでなぜ痩せるのか、というのは別途記事を書いてまとめますが、簡単にいうと痩せるというのは体にそれまで蓄積した脂肪を外から摂取する糖質の代わりにエネルギー源として使うことで、このコーヒーは体が「脂肪を蓄えなくても大丈夫」と安心して、貯めていた脂肪を惜しげなく開放する強力な手助けをしてくれる飲み物です。

有酸素と食事制限での減量からのリバウンド→糖質制限との出会い→より効率的な糖質制限の運用・・・と、ここまで5年くらい掛かっていますがようやく「好きなものを好きなだけ食べながら、痩せる」という夢のような方法論の完成に近いところに来た所です。

ところで、ここまでで一般的にダイエットで重要とされるものの幾つかを私は徹底的に無視していることに気付かれたかと思います。
  1. 減量は「摂取カロリーが消費カロリーを上回る状態」で起こる
  2. 減量には有酸素運動が必須である
  3. 一日3食きちんと食べないと太る
  4. 朝にはいくら食べても太らない
  5. フルーツ・玄米はダイエットにいい
次回から一つずつなぜこれらの一般に広く信じられている知識が間違っているのかを解説します。

2016年2月9日火曜日

ストレス0の減量方法「完全無欠コーヒー+糖質制限」 に出会うまで 2/3

辛く厳しい食事制限と有酸素運動で10kg痩せて、あっという間に10kgリバウンドした経緯はこちら

失敗を活かそうと、自分が知らない新しい知識を求めてダイエット本を漁って出会ったのが以下の2冊でした。

簡単に説明すると、「糖質制限」と「レコーディングダイエット」ですね。

2冊とも読み物としても大変面白いのでオススメなのですが、結論だけだけ書くとレコーディングダイエットは大変すぎて結果が出る前に挫折、糖質制限は初めて「苦労なしで痩せる」という今までの減量観をひっくり返す経験をくれる初めてのアプローチとなりました。

極簡単にまとめると”オヤジダイエット部の奇跡”は以下のような内容でした。

  • 糖尿病一歩手前のレベルの中年男性が
  • 色んな減量手段を試すもののリバウンドを繰り返し自信を失う中で
  • その頃はまだ栄養学の常識に逆らう異端として見られていた糖質制限を取り入れ
  • 苦労なく劇的な減量+糖尿病治癒の結果を出していく

登場人物は複数いるのですが、それぞれにドラマを抱えており、また医学会ではあまり歓迎されないながらも海外の文献や自身の経験と分析を元に信念に基づくアプローチを深化させる医師の方々の奮闘ぶりは、観と運に頼った野球業界にデータ分析に基づく勝利の方程式をもたらしたマネーボールに通じるものがあり大変興奮しながら読みました。

この本の中で衝撃的だったポイントは以下でした。

  • 食べ物のうち脂肪になるのは糖質のみ(脂肪もタンパク質も体を太らせない)
  • 人類が穀物(白米や麺)を食べ始めたのが極最近で、人類は消化に慣れていない
  • 糖質は砂糖だけでなく根菜、白米、麺、パン、など”主食”として全カロリーの60%をそこから摂取するように勧められているものに大量に含まれており、非常に高い中毒性がある。実は栄養素はあまり高くない
  • 脳が糖質を摂らないと働かないというのは事実ではなく、ケトン体でも働く
  • 裏を返すと、いくら好きなモノを好きなだけ食べても糖質がコントロールされている限り太る事はない

何よりショックだったのは殆ど運動しない・肉ばかり食べている登場人物達が数十キロの単位でがんがん痩せていくことでした。

それでも半信半疑だった僕ですが、巻末にあるあらゆる食材の糖質含有量のチャートを見て、食生活を徐々に変えていくことに決めました。

だって毎日30分走ったり、大好きなお肉を我慢するよりもずっと続けられそうだったから。

そして僕は、その前の2年間の苦しみがウソのように全く楽にするすると、約4ヶ月で5kgの脂肪を落とすことに成功しました。

つづく

良いからストレス0で痩せる方法教えろって方はこちらへ。
完全無欠コーヒーで食べながら痩せる

現段階のベストアプローチで2週間人体実験した結果を見たい方はこちらへ。
【最終日】二週間ほど厳格にダイエットしてみます 14/14

2016年2月8日月曜日

ストレス0の減量方法「完全無欠コーヒー+糖質制限」 に出会うまで 1/3

残っている記録の中で最も古い体重は、2011年1月30日の79.9kg(体脂肪率25.2%)なんですが、ここから現在の69.9kg(体脂肪率17.8%)に至るまでの5年間で数キロの増減を繰り返していました。

学生時代60kgを切っていた頃から比べて+20kgという体重にさすがに危機感を覚えた僕が最初にとったアプローチは「運動して消費カロリーを増やせば痩せる」「カロリー計算をして基礎代謝以上に食べなければ痩せる」といういわゆる典型的なダイエットでしたが、これはめんどくさいし大変だし結果は思ったように出ないので非常にストレスが大きく、数ヶ月ごとに3kg程度の増減を繰り返していました。

その頃は体重が何故増えるのか、減るのか、というメカニズムの知識もなく、ただただ食品と運動量を”カロリー”という架空の数字に落として計算するものの、本質的な食への渇望と運動からくる疲労、そしてなかなか出ない結果というジレンマに苦しんでいました。ダイエットとはこんなに苦しいものなのか…それは色んなサプリメントやらジムでのハードなトレーニングやらが必要だわ、しかも体重が落ちたとしてもそこからリバウンドという恐怖と闘わないと行けないなんてどんだけ地獄なんだ…といった心持ちをよく覚えています。

一番辛いのはこの「頑張っているのに結果が出ない・元の状態に戻ってしまう」経験です。

家族が、友人が、目の前で好きなモノを食べていて「君も食べなよ」と勧めてくる。計算して食事をしているので「食べれない」と力なく答え、気まずい空気をやり過ごすモノの、その成果は思ったよりも数字に出る訳でもなく、反動で少し多くご飯を食べてしまった自分への罪悪感からいつもより長めにランニングをして疲れて次の日寝坊する…みたいな事を繰り返していました。

しかし気付けば少し減った筈の体重もまた元通り。

2013年の9月には苦労の甲斐あり70kgを瞬間的に切ったものの、凄まじい精神力の浪費に疲れきってしまい、翌年2014年の4月にはまた79.3kgまで戻ってしまっていたのでした。

3年に及ぶカロリー計算と辛い有酸素ですっかりダイエットに疲れてしまっていた僕は、そこで立ち止まって徹底的に楽な方法を探す事に決めたのでした。

つづく

良いからストレス0で痩せる方法教えろって方はこちらへ。
完全無欠コーヒーで食べながら痩せる

現段階のベストアプローチで2週間人体実験した結果を見たい方はこちらへ。
【最終日】二週間ほど厳格にダイエットしてみます 14/14

2016年2月6日土曜日

【最終日】二週間ほど厳格にダイエットしてみます 14/14

■数値推移
体重:69.9kg (-1.1kg vs. 前日 / -1.9kg vs. 開始日)
体脂肪率:17.8% (+0.3% vs. 前日 / ±0.0% vs. 開始日)

■朝:完全無欠コーヒー
糖質2.1g

■昼:ソーセージ(180g)+レーズンクリームチーズ(180g)+納豆+生卵+赤ワイン(2杯)

*食べてる途中で写真とってないと気付いた為食べさしです…すいません。
糖質17.7g

■夜:卵ご飯(白飯50g+生卵+ピンクソルト)

糖質18.8g

■間食:チョコ(1粒)+韓国海苔(2箱)+メロンパン(1口)+ビスコ(1枚)+レアチーズケーキ(1口)

合計:糖質53.9g

2週間で約2kgの減量で、2年半ぶりに70kgを切る事ができました。全体の印象としては以下でした。

  1. 減量効果:3-4kgは減ると見込んでいたのでいまいちでした。糖質制限ではどれだけ体に蓄積させている脂肪エネルギーとして使えるかが鍵なのですが、一番重要な役割を果たすのは肝臓です。今回、正直かなりの量の飲酒をしており、糖質制限という意味では数値目標をクリアしていたものの、肝臓の能力を脂肪の代謝に十分に振り分けることが出来ず、限定的な減量効果に留まってしまったのではという仮説を持っています。
  2. 精神的な苦しさ:糖質をコントロールする苦しみは全くありませんでした。寧ろ昼も夜も抜く完全絶食でもよかったかも。食べるのは好きなのでやりませんが、週に1回以上は絶対に外食の予定が入っているため、一人でいるときは全く食べないという習慣も実行自体は可能だと感じました。
  3. 金銭的なコストと手間:朝と昼がコーヒーと弁当で固定なことによる気楽さは最高です。加えて、基本家で夕食をとるようにしたので、コンビニ+間食+なんとなく飲みに行くという行動をとらなかったためおそらく2−3万円は節約出来てそう。
最終目標値まで67kg, 64.3kgというマイルストーンを置いているのですが、先ずはお酒抜きでやってみようと思います。